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仏事あれこれ(10月)

【問い】

毎日テンションを上げて忙しく仕事を頑張っています。
でも疲れて、母や家族との時間を大切に出来ているのか不安です。
「忙」は心を亡くすと書くと教えて頂いて、ほんとに毎日心を亡くして生きています。
月参りで住職と話す時が一番落ち着くんです。
でも弱い人間になっているんではないかと不安です。

50代 男

【応え】

私と同世代ですね。仕事に家庭に自分自身に頑張ることを願われ、またその願いに完璧に応えなければとまた頑張って歩まれている事にまず敬意を表します。
 月参りで話される時の目が真っ直ぐですごく綺麗なので、本当に真面目な方なんだなといつも関心しています。ずる賢く立ち回る私の心の濁りがあぶり出され、恥ずかしい思いでいつも話を聞かせて頂いてます。
 いつも「忙」という字の前で立ち止まり、今の自分を確かめ、考え、歩み出すその生き方は、親鸞聖人と同じ歩みではないかと思います。
親鸞聖人がご自身の生き方を決定された時、次の言葉を述べられました。

雑(ぞう)行(ぎょう)を棄(す)てて、本(ほん)願(がん)に帰(き)す
(仏さまの教えに依って生きます)

 少し説明します。雑行とは迷った生き方を言います。
その反対は正行(しょうぎょう)(迷わない生き方)と言います。ですから普通は「雑行を棄てて、正行に生きる」という文になります。
ところが親鸞聖人は、正行ではなく本願(人間の全体をそのまま包む仏さまの教えと仲間)を大切にしますと述べられました。
言い変えれば、「どれだけ努力しても心を亡くすし、弱くて迷う私なので、私の全体を包む教えと朋(仲間)を大切にして、自分自身を丁寧に生きて往きます」という告白・宣言です。
 依り処がなければ、あなたのように心を亡くしている事に気付く事は出来ません。
気付く事が出来なければ、「自殺か他殺」を引き起こしてしまいます。
現に世界では他殺が横行し、日本では自殺が減りません。
忙しい生活を変えることは難しいかもしれませんが、教えと朋を大切にし、今まで通り自分自身を丁寧に生きてください。
ではまた来月語り合いましょう。

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