サンガの建設109
恐れ(畏れ)を取り戻す
先日ある番組で、人間との距離感を忘れた野生の熊に、恐れを教えて森深くに戻す活動をしている方が話されていました。
人間への恐れを無くした原因は自然破壊と環境の変化によって起こる食料難で、人間に近づかざるを得なくなっているのです。
そして恐れがなくなる事によって交通事故など無駄な死が増えているそうです。
だから人間を恐がらせて距離感を持たせるようにしているとのことでした。
「恐れ」が無いということは、非常に危険な事だということでした。
人間も、「畏(おそ)れ」を忘れ、立ち止まる事が無くなると、五つの濁りで迷うとお釈迦様は教えられます。
①劫濁(こうじょく)=社会が混乱し、
②見濁(けんじょく)=考え方が自分よがりに偏り、
③煩悩濁(ぼんのうじょく)=精神的孤独によって憂い悩みが増え、
④衆生濁(しゅじょうじょく)=共に生きてくれる朋がいなくなって孤独に
なり、
⑤命濁(みょうじょく)=本当にすべき事が分からない空しい人生となって、今この瞬間を喜べず、不確かな未来に期待するしかない一期になると教えられます。
「畏れなくなる」というよりも、色んな力をつける事によって「私が正しい」と勘違いした時、自分とも他者とも、また自然との調和が分からなくなり、五濁しか生みださない
事を、見抜かれ、教えられているのでしょう。
一番怖いことは「恐れ(畏れ)を知らない事」、つまり自分自身の足下を確かめる場をもたない事なのでしょう。