サンガの建設99
「ぞんみょうじこども食堂」 酒井浩美氏の言葉
東京にある存明寺では、酒井浩美氏を中心に「子育てサロン」(母親のケア)や「子ども食堂」、「グリーフケア」(遺族のケア)など、悲しみに寄り添う様々な活動をされている。
下記の言葉に続いて、
「きっといつか乗り越えた先に大きな力となってまた、他の誰かに手渡していける日が必ず来ると信じている」
と氏は言われる。その原動力とは。
暖かな時と場があれば、人は生きていける
酒井浩美氏の活動の背景(原動力)を尋ねます。
「私がはじめに子育て支援を始めたきっかけは、父母の仕事が忙しかったため保育園の先生が、私たち姉弟2人の為だけに無償で自宅で延長保育をしてくださいました。その時の暖かな時間が私の心に強く焼き付いているからです。そして姉弟だけで食事(孤食)する事が多かった私たちに、商店街の食堂のおばさんは、いつも温かいご飯を作ってくれました。またアルコール依存症だった父は、時折酔っては母に強く当たっていました。その時は母が私を置いて出て行ってしっまうのではないかと不安になり、学校から帰ると押し入れを開けて母の荷物を確認していました。
その様な経験があったからこそ、今、お寺での子育て支援だけでなく、養護施設で生活する子供たちへの支援、またヤングケアラーの中学生への支援につながっていると感じます。あの時誰かが寄り添ってくれた、それだけで人は生きていける。今度は私が他の誰かの心に寄り添います。」
最初の言葉にまでなった氏の背景を聞かせて頂いて、昨今多発している虐待事件を考えると、
「温かな時と場が無く、誰とも出遭えず一人苦しむ状況の中で、起こるべくして起こった事件」
ではないかと教えられます。
そして「温かな時と場に、悲しみを抱んでもらえた喜び」が、師の活動を支える力なのだろうと思いました。